平成27年 第44回伝統工芸日本金工展

Category : 日々の記録 2015年06月04日

日時: 2015.06.03~2015.06.09
場所: 日本橋三越本店本館6階美術特選画廊

金工展が始まっています。幸運にも朝日新聞社賞をいただきました。

今回の作品は黒味銅(黒く発色する銅合金)で形を作り、そこに鑞流し象嵌(銀鑞を溶かしつけて模様をつける)と、切り嵌め象嵌(といっても丸の形の簡単な物)で模様をつけました。テーマは昔から表現したいと思っている水面をイメージして作ったのですが、器が黒色なので、夜空に輝く星のような感じで仕上がり、自分で思ってた以上の物になりました。

夜空に広がる水面、天の川、を連想し、「天の海、星の林」という、壮大な題名をつけました。「天の海に 雲の波立ち 月の船 星の林に 漕ぎ隠る見ゆ」という柿本人麻呂の万葉集にある歌です。題名を考えていた時に、この歌を知り(日本史好きの妹や旦那さんに聞きました)衝撃でした。いったん、題名を「水面」で提出してたんですが、すんませんが、変えてください、と期限ギリギリで事務所に電話しました。人麻呂さんにも助けてもらっての受賞でした。

昨日は、授賞式や懇親会などに出席してきました。
金工やってる人ばかりがこれだけ集まるってすごいですね。色んな人がいて面白いです。金工をしているというつながりだけで、意見が違っても、話が合わなくても金工をやっているという点でわかり合えることが色々あるなあ、と。話をしたり、聞いたり、意見をしたり、もらったりして自分の作品が影響され、良い物になっていく。良い物にしていきたいと思います。

次の作品も頑張ります。